農林中金が拠出して19年10月に設立した「JAバンクアグリ・エコサポート基金」が4事業を実施している。
うち『利子助成事業』は厳しい経営環境に直面する多様な担い手への支援で、JAが融資する農業関連ローンに利子助成を行うもの。
21年度は融資案件数が4万8714件で前期に比べ1万6850件増加した。助成金交付決定は総額8億3800万円で3億4300万円増加した。
また農業・環境分野の企業経営体を「アグリ・エコサポート投資事業有限責任組合」(通称はアグリ・エコファンド)というファンドを通じて支援する『投資事業』では、新たに13社に5億7700万円の投資を実行。累計で17社・7億8500万円となった。
さらに『JAバンク食農教育応援事業』のうち教材本贈呈事業では食農・環境・金融経済教育をテーマとする小学校高学年向けのオリジナル教材本をつくり、約2万1000校(全国の97%をカバー)に贈った。
加えてJAなどによる食農教育活動の費用助成事業については、2088件、7億2500万円の活動計画が提出され、うち年度内に助成申請を受けた分に対し、2億7900万円を助成した。 食農教育ではほかにテレビ番組による情報発信事業も実施した。 『食と地域の文化発信事業』という事業にも取り組んだが、これは「所期の目的達成」で予定通り21年度をもって終了した。
◆今年度からは就農応援事業も開始
22年度からは新たに『JAバンク新規就農応援事業』を開始した。これは担い手として期待される新規就農希望者(研修生)の研修受け入れ先を支援し、これを通じて独立就農を後押しするもの。
助成対象はJA、JA出資法人、JA組合員で構成する組織(青年部、生産部会など)、都道府県農協中央会・連合会、農家の研修受け入れ先。
助成は研修生1人当たり年額12万円。期間は今年4月から平成25年3月まで。
なおJAバンクアグリ・エコサポート基金の代表理事は奥田碩トヨタ自動車相談役。