昨年度は法人需要のさらなる低迷と新型インフルエンザの影響などで、国内・海外ともに旅行事業は低調だった。
取扱高は844億900万円(前年比▲8.9%)と大きく落ち込んだが、業務の効率化や経費節減に取り組み営業収益は128億2000万円(同▲3.0%)だったため、純損失は8600万円ほどと同2億円ほどを計上した前期に比べれば経営は回復傾向にある。
◆国内・海外旅行は不振も、訪日観光客は増
事業別では、国内旅行が取扱高719億円ほど(同▲8%)だったが、地産地消をテーマにした「こだわりの宿」が「ツアー・オブ・ザ・イヤー2009国内旅行部門グランプリ」を受賞するなど好評。年間利用者は1万1354人で前年比5倍に増大した。また宮城と福岡などで行った「Nツアー創立20周年企画」にも多くの人が集まった。
海外旅行は、カンボジアでJAグループの取り組む「アジアとの共生」運動の一環で、農村へ精米機を贈るキャンペーンなどに取り組んだ。取扱高は107億5000万円(同▲16%)だった。
一方、外国人の訪日旅行は国交省などが中心となった訪日旅行者倍増計画「ビジットジャパンキャンペーン」などにも参加したため、取扱高7億円(同+8%)と伸びた。中国・東南アジアからの観光客が増えた。
今年からは新中期3カ年計画「お客さまから“ありがとう”をたくさん頂ける会社に、そしてお客さまに“感動”を提供できる会社に」がスタートする。顧客満足度を中心に事業展開する方針だ。
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役員の改選があった。新任、退任は次の通り。
【新任】
▽代表取締役会長 坂根國之((社)全国農協観光協会会長)
▽取締役(3人) 今田正夫(JAさがえ西村山)、高月初彦(JAにしうわ)、山本毅(JA全青協)
▽監査役 羽田正治(JA西都)
【退任】
▽代表取締役会長 遠藤芳雄
▽取締役(3人) 佐藤俊彰、庵原稔、坂元芳郎
▽監査役 横山勉
(※横山氏の退任は21年10月20日付)