「浜」がJF―漁協―の原点
協同組合なくして日本の漁業と漁村は成り立たない
JF全漁連専務理事・山本忠夫氏に聞く
◆原点に立ち返る
――全国漁協代表者集会とはどのような位置づけの集会ですか。
JAグループと同じ3年に一度の全国大会です。集会では従来3年間の方針を決めてきましたが、今回は向こう5年間の決議としました。
今回の柱は協同組合の原点に立ち返る、です。
JFの原点は「浜」にあり、小規模な漁業者である組合員が主体となって相互扶助のもとに、出資、利用、参加という原則に基づいて発展してきました。今回はそういう「浜の目線」を確認し、それを消費者までつなぎ社会貢献をも深めていこうというもので、この方針のもとアクションプランを策定し実践しているところです。
――新運動方針の基本になった認識はどういったものですか。
今の経済社会は、格差拡大や金融危機をきっかけとした世界的な景気悪化を受けて、市場経済主義への過度な偏重を見直す動きが強まるなかで、自主自立と相互扶助の協同組織の価値、役割が再認識される環境になってきている、ということです。われわれは協同組織の存在意義を社会にアピールする絶好のタイミングではないかと捉えています。
そこで今一度、JFの存在意義、役割を組合員とともに確認していこうと。それらを踏まえてわれわれの組織の強みを生かせるような事業体、組織に見直していこうということを確認しました。新運動方針の名称は「JFグループ 組織・経営・事業戦略」です。
――方針の具体策などポイントをお聞かせいただけますか。
われわれの組織の強みを改めて確認するために、「協同組織のあり方とJFの将来ビジョン」を整理しました・・・。
(第1回 「協同組合セクターの連携強化を」加藤好一・生活クラブ生協連会長)
(第2回 「協同組合への理解を広める」冨士重夫(JA全中専務)・田代洋一(大妻女子大学教授)対談)