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一時金払いがスタート  農林年金

 農林年金(農林漁業団体職員共済組合:飯島俊彦理事長)が支給する特例年金(職域年金、3階部分)は、4月1日からこれまでの「年金払い」に加え、「一時金払い」(特例老齢農林一時金)を選択できる制度がスタートした。
 対象者は厚生年金との統合後の平成14年4月以降に受給権が生じた人(昭和17年4月2日生まれ以降)。

  一時金払い制度は、年金額やライフプランに応じて、偶数月に2か月分づつ年金で受け取り続けるか、一括して一時金として受け取るかを選択できることから、農林年金では多様な老後の多様なニーズに応えることができる、としている。
 ただし、一時金を選択するかどうかは、すでに年金を受給している人は23年3月まで、今後、受給資格を得る人は資格取得から1年以内、に決めて請求しなければならない。
 農林年金によると、すでに年金を受給している人のうち、一時金払いの対象となる受給者は約13万人。6月18日時点で一時金を請求したのは約2万人となっている。
 5月28日に第1回めの一時金送金が行われ、1人あたりの平均額は128万円余りだったという。今後は毎月15日と末日の月2回、送金が行われる。

◆申請書類の確認を

 ただ、これまでは申請に必要な提出書類に不備が多く手続きに時間がかかっているという。とくに多いのは退職金の受給申告書類の未添付。一時金は退職所得として扱われるため、退職時に退職金を受け取っていればその年にさかのぼって、一時金と合算して課税される。このため退職金の申告書類が必要になるという。
 現在はこうした申請書類の不備や請求が4月に集中したこともあって請求から送金まで80日から100日かかっているというが「今後、軌道にのれば60日程度で送金できる」という。
 農林年金では一時金払いによって年金支払い事務経費の削減になり年金財政に寄与するとしており、利用促進のために制度の周知活動に力を入れる。
 今後、受給資格を得た人には年金払いと一時金払いの2通りの受給額を示した書類を送付し判断材料にしてもらうなど情報提供も行う。職域年金部分の一時払い制度は公的年金では初。

(2010.07.07)