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湿潤土壌でも効率の良い中耕除草機を市販化  生研センター

 農研機構の生研センターは、湿潤な土壌でも高精度で高能率な中耕培土ができる除草機を市販化したと7月6日発表した。

 中耕培土を行う代表的作物である大豆は、排水の悪い輪作田や水田転換畑での栽培が多く、また梅雨期に水分の高い土壌条件下で中耕培土作業を強いられる地域も多い。
 このため在来機ロータリ爪により土を練りつけたり、培土板により土を圧縮してしまうことから、土壌水分の高い間は作業できず、雑草を茂らせてしまうこともあった。
 また受託作業の増加などから、中耕培土作業の高能率化が求められている中で、在来機では遅いという問題もあった。
 そこで生研センターはこれらの問題を改善できる中耕除草機の開発に取り組んできた。
 開発機は、前後に設けた2対のディスクが作物条間を通る際に土壌の抵抗で回転し、土を横に反転移動させることにより中耕除草と培土を行う作業機だ。 従来の駆動するロータリ爪から、牽引されるディスクに変わったことにより、高速作業が可能となった。
 高水分土壌でも土の練りつけや圧縮が少ないこと、砕土が良好なこと、土壌の反転作用が強く雑草防除性能が高いこと、石ころのあるほ場でも作業できるなどの特徴がある。
 ほ場試験での大豆収量は在来機に比べ平均15%程度増えたという。 開発は次世代農業機械等緊急開発事業として井関農機、小橋工業と共同で行われ、トラクタ用は昨年から市販され、また乗用管理機用は鋤柄農機が協力して井関農機が製造を担当し、今年6月に市販された。
 2種類がそろったことで、さらに普及が期待されるという。7月16日に富山市で開かれる現地セミナーでは乗用管理機用が紹介される予定。
 問い合わせ先はさいたま市の生研センターTEL048-654-7026

湿潤土壌でも効率の良い中耕除草機を市販化

(2010.07.08)