穀粒やワラくずの水分が高い場合、比重選別やふるい分けをするコンバイン内部の揺動選別部にモミの付着や詰まりが発生し、選別損失が急増する。
　このため同センターと三菱農機は共同で、フッ化樹脂コートを揺動選別部に施すことによって、モミの付着を大幅に軽減できるコンバインを開発した。
　この技術で選別処理能力が向上し、従来は朝露などで殻物が湿るために避けていた朝夕の収穫作業が可能となり、単位面積当たりの機械償却費を抑えることなどにつながった。
　また通常の作業時間帯でも、この技術による性能向上が省エネ効果をもたらすことが実証された。
　同センターは昨年、収穫量の増加や水分が高い場合に脱穀時のワラくずなどの詰まりを逃がす送塵弁開度制御機構を開発したが、その効果などと併せることによってコンバイン全体の燃料費を約10％低減できるという。
　フッ化樹脂コートの技術は三菱農機が発売するコンバインに逐次採用される予定。その普及により収穫時のコンバイン稼動時間拡大や省エネによるコスト削減が期待される。