シロアリ駆除の永年の課題として、女王シロアリを駆除しても残った働きアリが女王化し、巣の再出現を防ぐことが難しいという点があった。
松浦健二岡山大学准教授の研究グループは、日本で全国的に広く分布しているヤマトシロアリを材料に実験し、女王シロアリのフェロモン特定に成功。シロアリのタマゴからも同様のフェロモンが放出されており、このフェロモンを人工的に作り出すことによって新たな女王の出現を阻止することにも成功した。
アリやハチのように、高度に分業化されている社会的昆虫で、個体に直接作用して役割を決める女王フェロモンを特定したのは世界で初めて。この研究結果の詳細は、米国科学アカデミー紀要に掲載されている。