JAグループは23年度税制改正対策について4月から都道府県、全国機関を対象に積み上げ調査を実施してきた。「要望骨子」はこれに基づくもので、農水省をはじめ各省庁が実施している税制改正要望に関する意見公募に提出した。
今後、政府の動きをふまえ9月以降の理事会で要望事項を正式決定し、政府、国会に働きかける。
骨子の概要は以下のとおり(新規・拡充のみ)。
【水田農業、畜産・酪農、野菜・果樹等品目対策】
▽口蹄疫のまん延により被害を受けた畜産農家に対する必要な税制上の措置、▽戸別所得補償制度の本格実施において、すべての交付金を農業経営基盤強化準備金の対象交付金とすること、▽集落営農組織等の任意組織が補助金等で取得した機械・施設の農業生産法人への譲渡に、課税負担が生じない特例措置。
【担い手・農地対策、都市農業対策】
▽相続税課税方式では現行の「法定相続分課税方式」を堅持すること、▽都市農地の都市計画上の位置づけと関連税制の見直し、▽ファーマーズ・マーケットの設置にかかる特例措置、▽6次産業化に取り組む事業者への特例措置、▽自給率向上、環境配慮事業に取り組む農業法人への出資金への特例措置。
【JA・連合会等の経営対策】(延長)
▽貸倒引当金の繰入限度額を法定繰入限度額の16%増とする措置の恒久化
【共済・年金関連対策】
▽非営利型の特定退職金共済団体について支払いを受ける利子等の源泉所得税は非課税とすること、▽適格退職年金制度、確定給付・確定拠出年金制度の積立金の特別法人税の廃止
【厚生連病院関連対策】
▽患者に転嫁できず病院が負担している消費税について、払い戻しを受けることができる制度の創設。
【消費税】
▽消費税の見直しについては食料品の軽減税率、インボイス制度の導入など農家・JA等に対して大きな困難が生じることから、こうした課題を解決することも含めて慎重に検討すること。