農政・農協ニュース

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埋却地をめぐって全国から提案  口蹄疫で意見交換会

 農水省は7月27日、今年度第1回全国畜産課長会議を開いた。冒頭では口蹄疫について、山田正彦農水相と各都道府県・団体との意見交換を行った。

全国から200人以上の関係者が集まった 山田農水相は同日午前0時に県内の家畜の移動制限が解除され口蹄疫が終息に向かっていることについて「全国各地からたくさんの人的、金銭的な支援のおかげだ」と、感謝の意を述べた。
 これまで日本は口蹄疫の清浄国だったため中南米からの安価な家畜の輸入を制限できたが、今回の発生によって状況が変わる可能性が指摘されている。山田農水相は「一国も早く清浄化をめざしたい。人もモノもグローバル化がすすみ、いつ、どこから入ってくるかわからない状況だけに、出入国管理をより厳しくしなければならない」と、今後の対応を述べた。

(写真)全国から200人以上の関係者が集まった


◆官民一体で総合的防疫体制の確立を

 意見交換では、埋却地をめぐり、用地の有無や埋却要件の緩和などを求める意見が相次いだ。
 新潟県から「面積要件は満たしていても、水田地帯では1mも掘ったらすぐに地下水が出てくるので埋却できない。盛り土でも処分できるような対応が必要だ」、熊本県から「全畜産農家を調べたが、埋却地の確保は難しい。広域レンダリング施設(家畜の非食用部位を処理する施設)や、殺処分した家畜の密閉運搬車両などを確保してほしい」などの意見があり、山田農水相は「施設や車両は国の方で速やかに手配したい」と答えた。
 そのほか、三重県から「畜産農家の再建対策を最優先してほしい。どれだけ早く再建できたかで、今後の発生の際に少しでも気が楽になる」、奈良県から「宮崎県の現場で対応した職員を全国に派遣して情報公開や、体験を語ってほしい」、静岡県から「患畜の簡易検査キットの導入や、動物衛生検疫所の支所でも確定診断をしてほしい」などの意見があった。
 山田農水相は今回出されたさまざまな意見は今後の検討課題にするとし、「民と官が一体となって総合的な防疫体制を確立したい」と述べた。

(2010.07.28)