羽田会長は「万物の霊長と言われる人間だが、実は自然の中で生かされている」のが現実だと述べ、「人は命を支えるタンパク質を牛豚鳥に求めている」が、口蹄疫や鳥インフルエンザなど家畜の伝染病が頻発している今だからこそ、「食に対する新たな発想、感覚、視点が必要ではないか」と“食”に対する考え方を改めるべきだと訴えた。
およそ3カ月で29万頭の家畜が、ワクチンを接種され殺処分された。「ワクチンを注射する時、動物達は独特の感覚で異常な鳴き声を発し、700kgもある牛がバタっと倒れる。この鳴き声や倒れこむ音は生産者の耳から離れない」のだと殺処分の様子を語るとともに、「農家にとって家畜は家族。これを殺すというのは、まさに地獄だ」とかみ締めるように語った。また、多くの農家が空になった畜舎の前で、生きがいをなくし座り込んでしまうのだという現場の状況も伝えた。
にもかかわらず、多くの農家は復興を望んでいる。
7月21日に家畜の移動制限は解除されたが、いまだ家畜の糞尿が残されている。これを堆肥化し、発酵の際に生じる熱でウィルスをすべて死滅させて、ようやく終息となる。羽田会長は復興が始まるまでは、まだ3〜4カ月はかかるだろうと述べ、「なんとか年末には、牛豚を飼えるようにしたい」との目標を示した。
今回のキャンペーンや火の鳥のシンボルマークは、「宮崎に復興の可能性に挑戦しようという元気を与えてくれた」と感謝し、「一日でも早く牛豚の元気な鳴き声が響く、以前の農村の姿を取り戻すことが、全国の皆さんからの支援への応えになる」と、改めて復興への強い決意を語った。