◆過剰米対策も要求
政府は23年度予算の概算要求基準について7月27日、一般会計の歳出の大枠を前年度当初予算並みの71兆円とし、マニフェスト実現などのための1兆円を超える「特別枠」(元気な日本復活特別枠)を設定する方針を決めた。
この財源を生み出すために各省庁に政策経費の一律1割カットを求めたため、農水省の概算要求枠は22年度の戸別所得補償制度モデル対策(5618億円)をふくめ2兆15億円とされ、「特別枠」の要望基礎額は1583億円とされた。22年度農水省所管予算は2兆2784億円だから、現時点での概算基準枠は今年度より1000億円以上少ない。
JAグループの政策提案では、「このような要求では農業所得の増大も食料自給率の向上も到底達成できるものではない」と強調、戸別所得補償制度の本格実施や自給率50%達成に向けて、「省庁の枠を超えた新たな財源確保」を強く求めている。
また、畜産酪農関係予算では、農畜産業振興機構財源が厳しいため一般予算で財源確保することや「強い農業づくり交付金」の十分な予算と活用メニューのさらなる多様化も求めた。
そのほか、6月の政策提案で柱とした農地利用に対する直接支払い制度の確立も求めている。水田農業対策では戸別所得補償制度の本格実施にあたっては、22年産米の需給と価格環境を整備して生産調整実施者の所得を確保することが必要だとして、「現況の過剰米を市場から隔離する政府棚上げ備蓄等を早期に実施すること」を求めた。