化学肥料と農薬を削減したコメづくりがいかに環境保全に役立っているかを評価するためには、田んぼに棲む生き物の数を調べる必要があるが、非常に多くの生き物がいるためその調査は難しい。
同団体では「より手軽に田んぼの生き物調査をできないか」と考え、昨年から宮城県大崎市の一ノ蔵酒造が持つほ場で実験と観察を行い、田んぼに棲む生き物の数を推定する指標生物として、カエル3種(トウキョウダルマガエル、ニホンアカガエル、ニホンアマガエル)とクモ2種(アシナガグモ、ナガコガネグモ)の計5種を選定した。カエルはサギやヘビのエサとなり、クモは昆虫や小動物を捕食するため、これらの数が多ければ多いほどその水田にはたくさんの生物がいることになる。今回の生き物調査では、この5種類の生き物の数え方を学び実践した。
調査は、生産者、一般消費者のほか、地元のJA仙南やJAみどりのの職員らも参加して行われた。
参加者は同団体がつくった「カエルとクモの生息数調査の手引き」と「同調査票」を手に、あぜ道を1時間ほど歩いて調査。「カエルは跳ぶので数えにくい」「クモは葉裏に隠れて見つけにくい」などの意見もあったが、「この調査法なら、誰でもできる」「子どもでもできるわかりやすいやり方だった」と概ね好評だった。
同団体は今後も会員を中心に、生き物調査のデータなどを集め広く公開発信していく考えだ。
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同団体は、環境に負荷の少ないコメづくりを行う生産者と、それを応援する市民のネットワークとして1998年に発足した。生産者、消費者などの個人だけでなく、JA栗っこやJAみどりのなども法人として参加しており、現在211人・団体が加入している。拡大画像はこちら.pdf
(写真)
上:あぜ道からカエルとクモを数える参加者の1グループ
下:生息調査票