調査したのは同公庫が融資している個人8612と法人531の計9143件。12月期決算を基に、耕種10部門と畜産5部門から農業収入第1位の部門を調査対象とした。
耕種で利益率の落ち込みがもっとも大きかったのは果樹部門のカンキツ(個人)。表年だったが、消費者の買い控えが影響して供給量が増え、価格が低迷し減収減益となった。またリンゴ(個人)は天候不順により出荷量が前年より減少したことと価格の低迷によって減収減益となった。
北海道の稲作(個人・法人)は天候不順による作柄の悪化で減収減益となった。都府県の稲作は作柄は平年並みだったものの、20年産の在庫過多や消費者の低価格志向によって前年より利益が減少した。
茶は鹿児島県での低温被害、静岡県での荒茶生産量が減少したが消費量の減少で価格が落ち込み、個人・法人ともに売上高が減少。個人経営での利益率は2期連続での下落となった。
20年に国産需要の高まりで価格が上昇していたキノコは、国内生産量が高まったことで価格が下落し減収減益となった。
畜産は酪農部門で2度乳価が引き上げられたこと、肉用牛肥育部門では消費低迷による補てん金の交付で利益率は上昇した。
一方で養豚は輸入品の在庫過多、国産豚肉の供給量の増加で大きな減収減益となった。
採卵鶏では飼料価格は下がったが、不況による加工需要の落ち込みで卵価が値下がりしたことが影響して減収減益となった。