農業・食料関連産業の国内生産額(生産された財、サービスを生産者が出荷した時点の評価額)は、99.2兆円だった。原油・穀物価格の高騰による製品価格の引き上げで前年度より1%増加した。
国内生産額から生産のためにかかった費用を差し引いた国内総生産は44.8兆円だった。原材料や燃油の価格上昇が費用の増加につながったため、前年度より0.4%減少した。
ともに全経済活動(国内生産額1001.3兆円、国内総生産額492.2兆円)の約1割を占めた。
国内生産額のうち、農業生産額は9.8兆円で構成比9.8%、関連製造業38.1兆円、関連流通業25.4兆円、飲食店21.5兆円だった。農業生産額は作柄が良好だった米の生産量の増加(20年産作況指数102)、春先の天候不順による野菜価格の上昇などで前年度より1.4%増加した。
国内総生産額では農業総生産額は4.4兆円(9.9%)、関連製造業12.9兆円、関連流通業16.5兆円、飲食店9.2兆円だった。農業総生産額は原油・穀物価格の高騰による飼料価格などの上昇で前年度より0.3%減少した。
農業総生産額から固定資本減耗、間接税、経常補助金を差し引いた農業純生産額(全体の農業所得)は8.3%減少し3兆410億円となった。これは19年度の税制改正にともなう減価償却計算の見直しによる固定資本減耗が増えたことによる。
農業所得は平成2年には6.1兆円あったがその後低下を続け半減したことになる。