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契約取引の推進、新たな加工用途の開発 果実の販売戦略で熱い議論  農協研シンポジウムinJA新ふくしま

 農業協同組合研究会は9月25日、JA新ふくしま(福島県)で2010年度現地シンポジウムを開いた。

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シンポジウム発表者(左から)清水氏、大井氏、吾妻氏、徳田氏の4人と司会の北出俊昭元明大教授

ナシの出荷が盛んだった野田共選場 研究会の現地シンポジウムは今年で5回目。同日午前はJAの野田共選場、直売所「ここら」吾妻店を視察し、午後は「果実販売戦略のこれから―農家手取りの最大化をめざして―」をテーマにシンポジウムを開催。シンポジウムには150人ほどが集まり、盛況だった。
 シンポジウムで発表したのは、三ケ日町農協元営農部長の清水理氏、東京青果代表取締役副社長の大井溥之氏、JA新ふくしま代表理事組合長の吾妻雄二氏、三重大学准教授の徳田博美氏の4人。
JA新ふくしまの直売所「ここら」吾妻店では、パン粉を使ったパン工房も人気 清水氏はミカンに酵素を加えてペースト化することで、1kgあたり5円ほどだった加工用ミカンに付加価値をつけ30円で販売した経験などから「発送の転換と意識改革が必要だ」と呼びかけた。吾妻組合長は、昨年から2人の販売営業専任担当者を配置したり、地域密着型で売上を伸ばしている直売事業などJAの取り組みを紹介。「現在85億円の農産物販売高だが、平成24年には100億円をめざす」と目標を掲げた。
 大井氏はこれからの果実販売戦略は、「契約取引を推進し、産地と卸が一体になってバイイングパワーの強い量販店に立ち向かっていかなければならない」と述べた。徳田教授はカンキツ類の場合は出荷時期や市場による産地の棲み分けが行われている例を紹介し、バランスの良い商品構成や個性・商品づくりなど産地での販売・生産戦略が大事だと提案した。
 全体討論では、組合員からJAの販売戦略へも質問が出るなど、積極的な討論が行われた。
 シンポジウム後の懇親会では、JA職員と女性部のつくった加工品や郷土料理などが振舞われた。

全体討論では参加者からさまざまな意見が

(写真)
上:ナシの出荷が盛んだった野田共選場
中:JA新ふくしまの直売所「ここら」吾妻店では、パン粉を使ったパン工房も人気
下:全体討論では参加者からさまざまな意見が


(シンポジウムの内容については後日詳報いたします)

(2010.09.27)