水田で作った飼料イネや牧草を円筒状にまとめたロールベールをその場で、牛に食べさせる給餌装置だ。
これを使えば、食べ散らかしや排せつ物汚染による食べ残し量は細断型ロールベールで約2%に減るという。
高さ約1mの円形柵で、使う時はそれをロールベールにかぶせるという簡単な装置。牛は10本の柱の間から首を突っ込んで餌を食べる。直径は約2m。
牛が柵の上部の枠を持ち上げた場合は、飼料がこぼれ出るため柱の足元は可動式のストッパーでぐるりと取り巻かれている。
直方体型もあるが、円柱型だと転がしての移動が楽だ。柵はステンレス製、ストッパーは木板。柵とストッパーは木綿のひもで結ばれている。重量は円柱型が約30kg。
水分の高い稲発酵粗飼料は運搬や給餌の作業負担に加え、運搬の燃料費も高くついた。また季節放牧では冬は家畜を畜舎飼いにせざるを得ないため頭数を増やせないなどの問題があった。
それが今回の開発で食べ残し量を低減した上に、収穫した飼料をその場でロールベールにしたあと、ほ場に適切に配置して給餌する事で、たい肥の運搬作業まで軽減されることになった。
今後は稲発酵粗飼料生産の盛んな水田地帯で中山間地域の畜産農家の牛を預かり、同粗飼料と牧草を用いた冬春放牧モデルの開発などを行う予定。
今回開発された装置の名称は「らくらくきゅうじくん」。