今年産米は猛暑の影響で品質が劣化し、地域によっては一等米比率が大幅に低下した。このため農水省は、概算金(仮渡金)の減額などと相まって農業経営に必要な資金の調達に支障を来すことが懸念されるとして関係機関に配慮を要請した。
内容は稲作農家に対する▽相談窓口の設置▽円滑な融資▽貸付金の償還猶予▽購買事業に係る代金の支払い時期の弾力化などとなっている。
要請は都道府県と7関係機関に文書で行われ、農林中金、JA全中、JA全農については傘下の系統金融機関に対する周知徹底なども求めた。
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米価下落は農家の資金繰りが懸念される段階にまできた。下落の要因は過剰米だが、猛暑による一等米比率の低落がそれに輪をかけた。今年産の比率は全国平均で64%強(9月末現在)となって、ここ10年間では最低。
このためJAが農家に支払う概算金(仮渡金)が60k当たり7000円台に落ち込む県もあるという深刻な事態だ。
今後はそれぞれのJAで、肥料や農薬などの代金支払い時期を繰り延べるとか貸付金の返済猶予などの措置がとられることになる。