調査期間は10月1日から7日。米主産地21道県の43JAと114人の生産者を対象に、農政事務所職員が面接で聞き取りをした。
概算金設定の考え方について「説明した」とするJAは88%、「していない」は12%だった。一方、生産者で概算金設定の考え方について「知っている
」は75%、「知らない」が25%だった。
農水省によると概算金の水準は「最近の販売動向をふまえて堅めに設定した」との回答がもっとも多かった。また、東北地方では概算金が大幅に下がった地域があり、それについて12JAは21年産米の精算と合わせた「複数年共同計算を前提に設定した」との回答だったという。
そのほか、モデル事業によって支払われる10a1.5万円の交付金をふまえて設定した、との回答も一部にあった。農水省はこうした概算金設定は米モデル事業の趣旨を損なうとしている。
概算金はあくまで内金であり、追加払いがあるかどうかを説明をしたか、についてはJAでは「した」が72%、「していない」が26%。生産者では「追加払いがあると聞いている」23%、「追加払いがないと聞いている」30%、「明確な説明がない」47%だった。
同省はこうした結果を受けて、概算金についての説明を十分に行うとともに、生産者手取りの確保に向けJAには一層の販売努力が求められるとするなどの内容を10月20日、関係者に通知した。
同省は生産者が必要とする運転資金の融通や既貸付金の償還猶予、肥料・農薬代などの支払い時期の弾力的な運用なども求めている。
農水省によると今回調査した生産者は、調査対象JA管内の組合員とほぼ重なるという。