2050年には全世界の人口が91億人に達すると国連が予測し、その人口を養うには世界の食料生産を約70%増加させる必要があるとFAOは試算している。
そうしたなかで「食料の安定的な供給と食料の安全保障の問題を提起し、当面している食料の危機はどういうものなのか。食料の安全保障という観点からみた場合に、今後どういう課題があるのかを議論するきっかけになれば」とこのセミナーを開催したと、村田興文同社社長は開会の挨拶で語った。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の駐日代表のヨハン・セルシ氏は、紛争地帯をはじめ食料問題苦しんでいる人たちの状況について語るとともに、「食料を含めて安心できる生活をおくることで国として安定でき」それが人間の安全保障になるとオープニングスピーチで語った。
その後、東京大学大学院の本間正義教授が「食の安全保障―世界と日本の食料問題」について、シンジェンタの食料安全保障問題担当責任者のカビタ・プラカッシュ・マニ氏が「食料安全保障の達成に向けて:シンジェンタの視点」について講演した。
シンジェンタは「より少ない資源でより多くの収穫を得るよう支援する」ことで食料安全保障の確保に貢献したいと考え、中国、英国、ベトナムなどで、ビジネスの枠を超えて、食料安全保障の課題解決に向けた提言を行っており、今回のセミナーもその一環だという。
(写真)ヨハン・セルシUNHCR駐日代表