年間2本価格に移行した最初の改定となる秋肥(6月〜10月)では、主要品目である高度化成で約10%値下げしたが、今回の春肥では表のようになり、前期(秋肥)と比べると、1.7%アップと若干の値上がりとなっている。
しかし、来春に使用する水稲用肥料についてみると、今年春に使用したものより値下げ(▲8.5%)となっている。
個別に見ると、硫安は秋肥決定時と需給環境に大きな変動がなく、据置きとなった。
国産尿素は、ナフサなどの価格上昇を理由に強い値上げ要求があったが、輸入品の値下げを背景に企業努力による吸収を求め、据置きとなった。
過石、熔燐は原料であるりん鉱石の値上がりを反映、塩加は国際市況が上昇していることから、値上げとなった。
複合肥料については、りん鉱石やカリなどの原料の値上がりを反映して、秋肥と比べると若干値上がりしているが、水稲も土肥などに使用する肥料は、今年春使用したものより値下げとなっている。また、輸入尿素の値下げを反映して、高度化成の緩効性肥料を含む機能品では一部銘柄が値下げとなっている。
全農では、肥料海外原料は、世界的な需要回復に伴い、値上がり傾向となっているので、施肥コスト抑制対策で取組んでいる土壌診断にもとづく低成分肥料(PKセーブ)の普及をいっそう促進することにしている。