米の需給は政府需要の見通しの誤りで21年産米の在庫と22年産米の過剰作付け、さらなる消費減で50万tを超える需給がギャップが「現実化」しており、価格と販売に「多大な悪影響を与えている」とJA全中は指摘。
この事態を放置すれば▽さらなる価格下落と数年にわたる低米価の定着化、▽在庫を抱える産地・生産者の所得減、▽全国的な生産数量目標の削減などを招き、「国の需給調整に参加した農家ほど営農の不安や制度への不信を抱きかねない」として、以下の5項目を緊急対策として実施するよう要請していく。
(1)過剰作付けや需給見通しの見誤りなどによる米の過剰は、棚上げ備蓄の前倒し等、国の責任で主食用以外に処理するなど緊急に対策を講じること。
(2)集荷円滑化対策過剰米対策資金は需給調整に参加する生産者の拠出であり、同資金を活用した生産者自らの過剰米処理を認めること。
(3)23年産米の生産数量目標の設定にあたっては、国の需給調整に参加する生産者の持続的かつ安定的な営農のため、あらかじめ需給調整の改善を行うとともに、今後の需要見通し等をふまえて適正に設定すること。
(4)23年産以降の転作拡大に対応できる十分な予算と仕組みを確保するとともに、需給改善に効果的な国の棚上げ備蓄の運営を行うこと。
(5)22年産米の米価下落を補てんする万全の予算を確保するとともに、将来にわたり再生産コストをまかなう万全な所得補償の仕組みと十分な予算を確保すること。