談話概要は以下のとおり。
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本日、政府は「包括的経済連携に関する基本方針」を閣議決定し
た。このなかでTPPについて交渉の参加・不参加を先送りにした
ものの、「関係国との協議を開始する」と判断したことは、きわめて遺憾である。我々は、改めて、TPP交渉への参加には反対であり、絶対に認めることはできない。
仮に、TPPが締結されれば、国内農業生産が大幅に減少し、340万人に及ぶ地方における雇用が喪失されると試算されており、地域経済、社会、雇用が大打撃を被ることは必至である。また、TPPは、農林水産分野以外にも、経済や生活にかかる多様な分野について基準や仕組みを根本的に変更するものであり、「国のかたち」が一変してしまう可能性がある。
そのような判断を、十分な国民的議論がないまま拙速に行うことは問題であり、我々は、引き続き、TPP交渉への参加に断固反対していくとともに、各界各層の理解と支持のもと、国民の圧倒的多数が望む食料自給率の向上にむけ、全力で取り組んでいく所存である。
(平成22年11月9日 全国農業協同組合中央会会長・茂木守)