政府
基本方針を閣議決定
TPP「協議開始」を明記
農業再生とは「両立」しない
TPP締結で国内に輸入される農産物への関税がゼロになったらどうなるのか?
EPA基本方針の検討が続くなか、農林水産省は10月27日に試算結果を発表した。
米、麦など関税率10%以上で生産額10億円以上の19品目を対象にしたこの試算によると、農産物の生産減少額は4兆1000億円程度で食料自給率(カロリーベース)は現在の40%が14%にまで低下するという。
また、国内総生産額(GDP)は7兆9000億円の減少となる。
(写真)JA山形中央会が開いたTPP交渉参加の反対デモ
◆米の生産、9割が壊滅
米の場合、国産米価格が1kg247円に対して外国産米は同57円と内外格差が4倍強ある。農水省は外国産米の品質も品種転換が可能で国産との格差は解消可能だとしている。
また、米国では、輸出量が約400万tあり、これにアジア諸国の米を加えれば、800万〜900万t程度のわが国の生産量を上回る。
こうしたことから関税がゼロになれば、どっと輸入され9割が外国産米に置き換わると試算する。生き残るのは新潟コシヒカリや有機栽培米といったこだわり米などの米(生産量の約10%)のみという深刻な事態を招く。
一部の米の生産は残っても価格は大きく下落。米の生産額は卸売価格ベースで1兆9700億円減少する。農業生産減少額のうち41%を占める。品質差がなければ「価格とロットと利便性のみで選択される」(JA全中・冨士専務)からだ。(下図参照)。
こうした農業生産の減少によって食料自給率(カロリーベース)は現在の40%から14%にまで低下するとしている・・・。