(写真)全出場者と審査委員
◆生産者のイメージアップに貢献
コンテストは昨年に続いて2回目の開催。今年は、宮崎県で起きた口蹄疫や、夏の猛暑による作物被害などの影響から、昨年より若干応募件数が減ったものの、より創意工夫を凝らしたレベルの高い料理が集まった。
全青協の大西雅彦会長は、「2年目ということで全体的にレベルアップした。自分の経営作物と県の特産物をうまく盛り込んだ作品が集まった」と評価。「自分がつくった作物をおいしく提供することで、生産者のイメージアップにつながっていると思う。一般参加者にも応援をもらって、非常に励まされた」とコンテストの影響などを述べた。
今年のテーマは「大切な人のために作るお弁当」。地元食材の活用度合い、味・見た目・栄養バランスなどのほか、誰のために作ったお弁当か、その人への思いやメッセージが伝わるか、なども審査基準に含まれた。
調理時間1時間30分以内、材料費1人1000円以内(通常の量販店などでの販売価格を目安として)などの条件の中で、青年部ならではの豪快さとアイディアに充ちたお弁当が勢ぞろい。今年は、ごはんミュージアムを訪れた一般観覧者にも試食が振舞われ、80人ほどが採点にも参加したため、非常ににぎやかな決勝大会となった。
(写真)
上:真剣なまなざしで調理する参加者
下:多くの一般観覧者も試食・採点に参加
◆“地域食”として、ぜひ商品化を!
優勝したのは、JA遠州中央青年部委員会(静岡県)の「北遠みのり弁当」。
緑茶をまぶした「緑茶ごはん」や「ヤマメの甘露煮」など地元食材をふんだんに使い、「北遠(静岡県西部、遠州北部)のよさを知ってもらいたい」(代表の木下さん)との思いでつくったお弁当。農作業とともにパティシエとしても活躍する両親に、いつまでも元気で長生きしてほしいという願いを込めた。特に「しいたけの肉詰め」は、試食会でも「一番おいしい」と大人気だった。
審査委員長の帽田順子さん(管理栄養士)は、優勝した作品について「もっとも地元への愛情を感じた」と評価した。審査員の宮田博美さん(家の光協会『ちゃぐりん』編集部編集長)は「生産者ならではの、地元食材をアピールしたい気持ちが伝わってきた」と全体の講評を述べ、野村一正さん(農林中金総研顧問)は「地域の食として、販売につなげるような工夫をして世間に広めてほしい」と全参加者にエールを贈った。
優勝作品は、東京・大手町のJAビル4階「農業・農村ギャラリー」で12月上旬に期間・数量限定で販売する予定。昨年の優勝作品は、3日間で各日20食が販売され、いずれも即完売と大好評だった。
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優勝した「北遠みのり弁当」を手にするJA遠州中央青年部の木下孝一(左)さんと堀内孝子さん。
★コンテスト結果
【最優秀賞】 (賞金5万円)
JA遠州中央青年部委員会(静岡県)「北遠みのり弁当」
【全青協会長賞】
▽会津いいで青年部(福島県)「祖母からの味ご飯と豚のしょうが焼き」
▽JA横浜青壮年部(神奈川県)「はま菜ちゃんロール弁当」
▽JA丹波ささやま青年部(兵庫県)「一家 暖 らん♪」
▽JA岡山青壮年部中央支部(岡山県)「幸せの黄ニラすき焼き弁当」
▽神埼郡農協青壮年部(佐賀県)「佐賀んとばっかい弁当」