◆事業総利益は7期連続の減
事業取扱高のうち貯金は、前年度比1.5%増の84兆7220億円となった。貸出金は2.7%増の23兆8507億円となった。今年上半期に発生した貸出金増は信連等への劣後ローンの影響。
長期共済保有高は1.8%減の320兆411億円。20年度の3.2%減とくらべて減少幅は縮小した。
購買品供給・取扱高は5.5%減の3兆79億円。昨年度は生産資材価格高騰の影響で12期ぶりに増加に転じたが、価格の落ち着きで再び減少基調に戻った。
販売品販売・取扱高は3.4%減の4兆1764億円。米と畜産物を中心とする価格低迷、消費減退が要因とされている。
事業総利益は0.1%減の1兆9083億円で7期連続の減益となった。 事業部門別では信用事業が4.5%増の7691億円。金利低下を背景に資金運用収益、資金調達費用ともに減少したが、有価証券の減損額縮減で収支を確保したと分析している。
ただ、貸倒引当金繰入金が11.5%増、貸出金償却が13.5%増と大幅に増えており、金融情勢や貸出先の業況に注視が必要だとしている。
共済事業は2.0%減の4972億円。長期共済保有高の減少にともなう付加収入の減少がおもな要因で9期連続減となった。
購買事業は5.3%減の3564億円。販売事業は2.4%減の1249億円となった。事業総利益は信用事業以外はすべて減益となった。
◆准組合員数が50%超
事業管理費は1.9%の減でそのうち人件費は1.4%減となった。その結果、事業利益は17.8%増加し1901億円の黒字となった。要因は信用事業総利益の増加と事業管理費の削減。3期ぶりの大幅な増加となった。
経常利益は10.3%増の2387億円となった。
事業利益と経常利益の増加によって、税引前当期利益は15.6%増の2371億円で当期剰余金は25.1%増の1679億円と大幅増となった。
今回の調査では組合員数は0.9%増え957万4751人だった。このうち正組合員数は1%減の477万2933人で、准組合員数は3%増の480万1818人となった。准組合員数が52%を占めはじめて正組合員数を上回った。