TPPは包括的な協定であり、実行されれば我が国農業は壊滅的被害を受けるばかりか地域経済・社会の崩壊さらには人の移動などの非関税障壁の撤廃を含め「国のカタチを変えることにつながる」とした。
また日本は「すでに世界有数の開かれた市場」であり▽食料輸入額は約7兆円▽農産物の平均関税率は約12%と低く▽食料自給率も低いことを挙げ、さらなる市場開放は農業・農村の再生への道を閉ざしかねない―としてTPPには絶対に参加しないよう政府に要請した。
さらに経済連携協定(EPA)と自由貿易協定(FTA)の交渉に当たっては、国内農業・農村の振興などを損なうことはしないようにするとの食料・農業・農村基本計画を堅持するよう求めた。
集会には農業委員約1000人が参加した。終了後は代表たちが各省庁や各政党を回り、TPP交渉に参加しないようにと訴えた。
◆「総合特区制度」など規制緩和に反対
同集会は「総合特区制度」に関する緊急要請決議も採択した。
政府はさらなる規制緩和に向けて、この制度の創設を予定しているが、これに対して同決議は、貴重な資源である農地について規制改革の観点のみの稚拙な議論は将来に大きな禍根を残しかねないとして総合特区制度による「拙速な規制緩和は行うべきではない」と主張。
農業生産法人要件のさらなる緩和は、農業者を主体とする同法人制度の仕組みを骨抜きにするものであり「容認できない」とした。
また農業委員会のあり方の見直しは、改正農地法などの適正運用に取り組んでいる農業者や農業委員会関係者の努力を無にし、現場に不安と混乱を招くものであり、農業委員会の必置規制の廃止につながるもので「認めることはできない」と反対した。