政府の経済連携基本方針と合わせて設置が決まった「食と農林漁業の再生推進本部」(本部長:菅総理)と同「実現会議」は11月30日に初会合を開催。民間有識者委員として出席した茂木守JA全中会長はこの会議について「TPPへの参加や対策を検討する場ではない」、「あくまで(自給率50%目標を掲げた)新基本計画の実現のための対策を」などと強調した。
ただ、この会議は6月にも農業改革の基本方針を決めることにしており、TPP参加の判断も同時期までという見方がなされている。一部閣僚からはこうした見方を否定し秋ごろまでにずれ込むとの発言もあるが、JAグループとしては6月を念頭に今後半年間の運動展開に力を入れていく。
そのため12月2日のJA全中理事会は、全中の食料・農業・農村対策推進中央本部のもとに、TPP対策中央本部を設置することを決めた。JAグループをあげて対応する体制を早期に構築するとともに、一方で都道府県段階、単協段階でも独自の取り組みを検討する体制を整える。
また、TPP交渉に反対する農林漁業団体や消費者団体、地方自治体などを中心に「TPP交渉への参加に反対し日本の食を守るネットワーク(仮称)」を発足させ、ほかにもTPPにより影響を受けると想定される個別業界団体にも加入を働きかける。
さらにこのネットワーク加入団体と連携し2011年1月から4月を目途に「TPP交渉参加反対1000万人署名全国運動」を展開する。
そのため組織内でTPP問題を正しく理解するため、役職員、組合員、青年・女性部での研修会・学習会の実施や学習資材の作成にも早急に取り組む。