女性理事登用の歴史が浅く、能力発揮の機会に恵まれなかったり、環境が整っていない状況が多い中で、成果と課題を共有しJA経営に女性の力をもっと活かそうという研修会のテーマは「女性参画によるJAの再生」。
初日の研修会ではJA松本ハイランド(長野県)理事の市野瀬統子さんが「女性参画と女性役員の役割」と題し、JAでの取り組みを次のように発表した。
◆女性参画進歩へのあゆみ
JA松本ハイランドの女性参画は、平成5年に女性参与4人の誕生から始まった。17年の改選で女性理事が5人となり、改選前は28人だった900人中の総代数も96人になった。20年には定数の見直しで54人から39人に減った役員数だが、女性理事の定数は変わらず5人を維持。現在は女性部から3人、生活文化活動である「若妻大学」のOBから1人、助け合い活動の「夢あわせの会」から1人の合計5人が理事を務める。女性理事が連携し合い、JA事業や女性参画活動に活気を持たせている。
また今年は初の女性支所長が誕生し、女性参画の大きな進歩となった。
◆「女性参画センター」を設置
女性参画活動を進める体制づくりとして平成20年に「女性参画センター」を立ち上げた。生活事業に関わるだけでなく、運営面にも重要な役割を発揮できるように企画人事部の福祉文化課に事務局を置いた。
同センターでは女性組織がJA運営に広く参加できることをめざし、女性理事定数の確保やJAトップ層との懇談会、女性組織との連携による食のイベント「よい食パク博」開催などの活動をしている。
◆運営会議が参画前進の場に
同センターのメンバーである女性理事や女性部、「若妻大学OB会」、「夢あわせの会」、生活指導普及員などによって開いている「女性参画センター運営会議」は参画推進への重要な場となっている。
昨年、同センターメンバーでイベントや店舗で地元農産物の販促活動を行う「おいしさとどけ隊」を結成した。セミナーを開催するだけでなく、なんらかの活動を通して事業に加わることが組織を一歩前進させるのではないか、という会議で出た意見が理事会を通り実現。女性参画センター立ち上げ3年目の成果を実感している。
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発表後は各班に分かれ、JAに対する要望やJA運営参画についての意見などをテーマにしたグループディスカッションを行い、参加者同士が交流した。