報告書は、かけがえのない森林の持続可能な管理経営を推進するため、国産材の自給率を10年以内に50%を達成するため、集約施業を行う森林経営計画作成者に経費を直接支払う制度や、作業道など路網の整備、フォレスターの認定制度・施業プランナーの育成を含む人材育成などが中心となっている。
施業集約化、路網整備や機械化の遅れが林業不振の要因だとして、森林・林業施策、制度、体制を抜本的にに見直し、新たな森林・林業施策を構築するとしている。
全体の見直しでは、市町村森林整備計画のマスタープラン化、分かりやすい森林経営計画の創設など持続的森林経営のための制度的枠組を整備する。適切な森林整備が行えるように、意欲と能力のある者が一定以上の面的な広がりの森林で、集約化や路網整備等に関する森林経営計画を作成する制度を設け、その森林経営計画作成者に限って集約化、コスト縮減に必要な経費を支払う、森林管理・環境保全直接支払制度を創設する。
低コスト作業システムに必要な林業専用道、森林作業道の区分を新設し、全国共通の規程・技術指針を作成するとともに、路網開設に必要な人材を育成する。
担い手となる事業体として、森林組合は施業集約化とそのための森林所有者との合意形成、森林経営計画作成を最優先事業とする。また、森林組合と民間事業体のイコールフッティング(機会均等)を確保する。
国産材の利用拡大で、生産・流通・加工のマッチング機能を備えた商流・物流の構築。設計者など人材の育成、公共建築の木造化、木質系材料や木質バイオマスの総合利用を促進する。
人材の育成は、森林・林業の専門知識・技術など一定の資質を持つ者をフォレスターと認定し、市町村森林整備計画の策定などを支援できる仕組みを創設。また、森林経営計画の作成、集約化施業を推進する、森林施業プランナーの育成と能力向上に努める。フォレスターは、人材育成検討会の報告では、2〜3000人程度の育成を目標とするとされており、中間報告では2100人程度の育成が必要だとしている。