◆規模拡大に10a2万円
12月17日に行われた農相、財務相らの大臣折衝では、(1)戸別所得補償の交付金のうちの加算措置、(2)普及事業交付金の2項目が折衝事項となった。その結果、いずれも農水省の要望どおり合意された。
このうち加算措置は規模拡大に対して100億円が措置されることになった。
交付対象者は戸別所得補償制度の加入者。改正農地法で創設され、JAなどが事業団体となることができる農地利用集積円滑化事業の仕組みを活用し、農地を面的拡大して、その年に利用権を設定して規模拡大した農地が対象となる。
交付単価は10aあたり2万円。総額100億円のため交付対象農地は5万haとなる。
◆果樹・野菜も特例で対象
作付け作物は米、麦、大豆など戸別所得補償制度の対象品目だが、特例措置として対象となっていない飼料作物や、果樹・野菜などの生産者に対しても農地の面的集積に対してこの加算措置から支援する。したがって野菜や果樹の専業経営で現在は戸別所得補償制度の加入対象ではない生産者であっても、規模拡大すれば加算措置10a2万円が交付される。
概算要求では農地利用集積事業として40億円を要求していたが、この規模拡大加算が認められたため農水省は要望を取り下げた。
そのほか再生利用加算に40億円、緑肥輪作加算に10億円が計上される。
再生利用加算は地域の不作付け地解消計画(農業再生協議会が作成)にそって、麦・大豆・そば・なたねを作付けてその定着、拡大を図る取り組みを支援するもの。交付単価は条件に応じて10a1万円(平地の水田)〜同3万円(条件不利地の畑)。5年間加算される。
緑肥輪作加算は輪作作物の間に1年休耕して畑に緑肥を入れる場合に加算する措置。交付単価は10a1万円となっている。
なお、概算要求で要望していた集落営農の法人化加算については法人化する場合の事務費を助成することで対応することで決着した。
また、協同農業普及事業など普及事業交付金(ほかに林業と水産業)は指導員の減少分のみの削減とすることが認められ3事業合わせて38億円(概算要求では約42億円を要望)が計上されることになった。