国産や国産原料の食べ物を選ぶことで輸送にかかるCO2が削減でき、地球温暖化の防止や食料自給率の向上につながると考え出された「フードマイレージ・プロジェクト」では、海外からの輸入品と国産品を消費した場合での輸送時に生じるCO2量の差を比較し、CO2 100gを1poco(ポコ)としてCO2削減量をカウントしている。対象は消費量が多くても国内での自給率が低い▽主食(米、パン、麺など)▽大豆製品▽畜産物▽食用油▽冷凍野菜の5分野。各団体によって取扱い品目数は違うが、現在合計で約2020のポコ商品がある。
同プロジェクトに参加しているのは4団体あわせて180万世帯。取り組みをスタートした2009年9月から今年10月までの14カ月で、CO2削減の成果は総計3億8491万8364ポコとなった。これを重量に置き換えると3万8491tで、ブナ林のCO2吸収量にして8368ha分となり、山手線内の約1.3倍、東京ドーム1819個分に相当する。
同プロジェクトのさきがけである「フードマイレージ・キャンペーン」を2005年から始めた大地を守る会代表取締役の藤田和芳氏は「これまで取り組んできた環境や食べ物の問題は何かを我慢するという運動になりがちだった。もっと明るくて波及しやすい運動をと考え出した取り組み。国産を食べれば食べるほどポコが増え、楽しみながら地球温暖化と食料自給率向上に貢献できる」と述べた。
同プロジェクトでは輸入と国産によるCO2削減量の差をシュミレーションできるウェブサイトも開設している。今後は他の生協や団体にも参加を呼びかけてCO2削減量を増やしていき、いずれはたまったポコを企業のCO2排出量と取引きできるようになればと考えている。