FAОが発表した最新の食料需給見通しによると、ほとんどの産品の価格が09年に比べて急騰したため、世界の最貧国の食料輸入額は10年に、11〜20%増加すると予測される。世界の穀物生産は昨年6月に予想した1.2%増に反し、現在は2%減との予測だ。
要因の1つは天候不順による予想外の供給不足。これにより世界の穀物在庫は7%減少するとみられ、国際市場の安定基調のためには、来年の作物生産高が極めて重要となる。 これに伴って穀物の作付けは増えると予想される。しかし価格上昇は砂糖や綿など他産品の生産の魅力も高めるため市場逼迫の緩和は不十分とみられ、食料価格は高止まりすると予想される。
FAОは今年起こりうるさらなる供給ショックに対して引き続き警戒を強めるよう国際社会に呼びかけている。
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またニュースレターは昨年9月に北朝鮮を調査したFAОなどの報告も載せ「500万人以上が食料不足に直面して」いるとした。
同国では535万トンの穀物生産が必要だが、ここ数年は450万トン前後の生産しかない。昨年は農業投入財などの条件が改善されて増収が期待されたが、天候不順などで前年比3%増にとどまった。
調査団は、最も弱い状態にある人々を支援するために30万5000トンの緊急食料援助が必要と勧告している。