鹿野農相は第2次改造内閣発足にあたって菅首相から、以下の6点の指示を受けた。
(1)6次産業化による体質強化と規模拡大に向けた構造改革への取り組み。(2)高いレベルのEPA・FTAの実現に向けTPPに関する協議をふまえつつ農業再生のための具体案を検討。6月をメドに基本方針を策定。(3)地域主権の観点からの補助金のさらなる一括交付金化。(4)国際森林年を契機とした林業再生。(5)口蹄疫、鳥インフルエンザ対策。(6)食の安全・安心対策。
鹿野農相は、そのほか2017年までに1兆円目標を掲げている輸出拡大への取り組みにも力を入れることや、農政改革を進めるうえでは内閣全体として財源問題も含めて取り組む必要があることを首相に強調したと話した。
TPP問題については、今回、菅首相が「6月をメド」に参加判断をすると指示したことを受けて「総理大臣の発言ですから意識はしているが、果たしてそういう状況まで至るかどうか、その時になってみないと分かりません」と語り、慎重な考えを示した。
また、現在行っているTPPの情報収集について「できるだけ国民に情報を提示するということを、関係大臣とも話をしていかなければならない」とも指摘した。
一方、農政改革については「規模拡大による構造改革」との指示があったが、鹿野農相は構造改革のイメージを問われ「構造改革ができるところと、できない、できにくいところもある」と指摘し、条件不利地域などを念頭に、「直ちに」構造改革を進められない地域もあるとして「いわゆる日本型の構造改革も意識しながらやっていかなくてはならない」とも述べた。