農政・農協ニュース

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農業メインバンク機能の強化をめざして 第6回JAバンク担い手金融リーダー全国大会

 農林中金は各県域での「農業金融センター機能」の整備、地域農業者への訪問活動の強化などJA、信連等と一体で農業メインバンク機能の強化に取り組んでいる。1月21日は千葉・浦安の東京ベイ舞浜ホテルに現場の最前線で活躍している全国のJAバンク担い手金融リーダーの大会を行った。

200人以上の担い手金融リーダーが集まり、研鑽・交流を深めた(写真)
200人以上の担い手金融リーダーが集まり、研鑽・交流を深めた

◆金融リーダーとTACの連携を

飯田英章農林中金常務理事 大会は今年で6回目。全国のJA、信連などから200人以上が参加した。
 主催者あいさつで農林中金の飯田英章常務は、増え続ける法人の農業経営体に対しメガバンクなどが販売先のマッチングや融資の提案などアプローチを進めていることをうけ、「農業環境は激変しているが、JAバンクは農業の発展のため、地域農業を支えるメインバンクとしてやるべきことをしっかりやっていきたい」と述べた。
 来賓ではJA全中の前嶋恒夫常務が、全国で事業部門横断的な渉外チームを設けているJAはいまだ4割ほどだと指摘し、「担い手農家の経営安定と信頼関係の再構築に向けてがんばってほしい」とエールを送った。
 JA全農の神出元一常務は、経済事業の担い手対応強化としてTACの取り組みを詳細に報告し、「TACと担い手金融リーダーがしっかり手を組んで地域を盛り上げてほしい」と期待した。

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飯田英章農林中金常務理事

◆県域農業金融センター、全県整備を前倒し

 情勢報告を行ったのは種田宏平農林水産環境統括部長だ。
 昨秋発表の2010年農林業センサスでは、5年前の前回調査に比べて就農者が2割以上減った一方、農業法人は大きく増えた。JAバンクでは、大規模農業者との関係の再構築・強化に集中して取り組むとともに、適切な情報発信を行い農業者・社会全体からJAグループへの理解醸成を促進するのが大きなねらいとなる。
 21年度から始めた各県域の「農業金融センター機能」の構築・整備は、22年12月末現在で40県域が整備済みとなった。また、JAバンクアグリ・エコサポート基金を通じた利子助成は4万8000件、計8億4000万円(21年度)になるなど、新商品の提供などによる農業融資増強に取り組んでいる。
 23年度のポイントとして、▽県域農業金融センターの整備を前倒しで行い年度中に全県域整備をめざす、▽TACとの連携強化や農業法人の定期的恒常的訪問など地域農業の担い手との関係強化、▽通信研修や業務検定試験による農業融資資格制度の導入と担い手金融リーダー等の資格取得推進などの人材育成、の3点を挙げた。

農業経営体と耕地面積の現状


◆「農家はJAのサポートを待っている」

佐々木正宏JA岩手ふるさとローンセンター長 先進事例報告はJA岩手ふるさとの佐々木正宏ローンセンター長が行った。
 同JAでは、21年から担い手金融リーダーによる「出向く活動」を本格的に実施。
 それまで金融課内にいた融資選任者をローンセンターに移管し、総合的な資金相談や休日相談を実施した。また営農経済部と連携し、営農生活アドバイザーと担い手金融リーダーの同行訪問をすすめている。
 将来的には全9支店に総合的な経営アドバイスができる職員を配置するのがねらいだ。
杉山經昌氏 担い手との関係強化により「担い手金融リーダーのモチベーションが高まった」と成果を述べ、「農家はJAからの情報提供やサポートを待っている。自ら出向いて、生の声を聞くことが大事だ」と強調した。
 基調講演は、宮崎県で葡萄園スギヤマを営む杉山經昌氏が「楽しい農業・楽しい経営・楽しい人生」をテーマに、詳細なシュミレーションや経営管理で、週休4日でも楽しくて利益の出る農業経営ができると紹介した。

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上:佐々木正宏JA岩手ふるさとローンセンター長
下:杉山經昌氏

(2011.01.25)