23年度も22年度同様、乳製品の需要拡大により生乳需要が供給を上回ることから、乳製品在庫はさらに減少するとしている。
予測値をふまえた今後の対応として▽需給動向に即した需給調整、▽国内外の需給や景気動向の共有化、▽生乳需要拡大に向けた取り組みへの必要性を示している。
◆牛乳減り、加工乳などが伸びる
22年度の生乳生産量は夏場の猛暑で生産が伸び悩んだことから前年を下回って推移してきた。23年度は北海道では前年並みと予測しているが、都府県は前年比97.1%、全国では同98.5%としている。
牛乳生産量は前年比約2割減を見込む22年度合計をさらに下回る96.2%。
加工乳・成分調整牛乳・乳飲料は前年を上回って推移した22年度に引き続き101.4%で好調に伸びると見込んだ。
はっ酵乳も好調に推移した22年度並みとした。
◆民間在庫量はやや減少
23年度の脱脂粉乳の需給は生産量が14万7700t(前年比97.7%)で、供給量(輸入売渡し数量をゼロとした場合)は14万7700tとした。消費量は15万2700t(同94.7%)で民間在庫量は5万5500t(91.7%)。
一方バターは、生産量6万9300t(同97.6%)で、供給量(繰り越し分を含めた輸入売渡し数量を1万2900tと仮置きした場合)は8万2200t。消費量は8万2900t(同97.9%)で、民間在庫量は1万9800t(同96.4%)と前年よりやや減る見通し。
脱脂粉乳ベースの国産生乳需要量(輸入売渡し数量に相当する生乳を総需要から差し引いたもの)は756万3000t(同97.9%)で、供給量を6万1000t上回るとした。22年度は需要量が供給量を11万t上回っていることから、23年度はやや需給ギャップは縮まるとしている。
バターベースの国産生乳需要量は752万1000t(同94.9%)で供給量を1万9000t上回る見通しだ。