地域住民を巻き込むパワー発揮
◆女性組織をネットワーク化
JA松本ハイランドが、JAの運動と事業運営に女性の声を反映させようと女性参画を積極化させたのは、平成5年の女性参与制度の導入から。同年に4名が選ばれ、以後3期にわたり選出された。
その後、平成14年に女性部から1名、助けあい組織から1名の計2名の理事が誕生、さらに17年の改選では5名に拡大させた(女性部3名、助けあい組織「夢あわせの会」1名、若妻大学OB会1名)。
20年には役員定数見直しで理事数が54名から39名に改定されたが、女性理事数は5名を維持。現在の女性理事の割合は12.8%となっている。
「女性参画センター」はこうした女性理事数の拡大がきっかけになった。
会長を務める島田貴美子理事は「女性理事が5人誕生した、というだけで何か実現できるのだろうか、さまざまな女性組織を5人が中心になって1つにまとめ意見を出していくことが必要では、と考えました」と振り返る。
この動きと合わせ、JAとしても女性組織の意見を集約し、女性が主体となっている生活文化活動や関連事業の推進と、事務局機能を一本化する機構改革を検討、総合企画部門にあたる企画人事部を新設、そこに担当部署「福祉文化課」を置くことにした。
この体制のもとに、女性部、助けあい組織、若妻大学OBのほか、集落単位の“農家組合”で選出されているくらしの専門委員や、各生産部会の女性部、JAの生活関連事業を普及する生活指導普及員(組合長が委嘱)などを参集、女性組織のネットワーク化をめざす「女性参画センター」が設置されたのである。運営会議には16名が参加している。
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代表理事組合長 伊藤茂氏
◆「おいしさとどけ隊」が発進
最初の運営会議では地域の抱える課題やJAのあり方などに「女性の視点」からさまざまな意見を出し合った。
基本的なテーマとして改めて確認されたのが、「農」と「食」だ。女性の立場で農業生産について広く情報発信することが大事だということと、さらにJAの販促活動のあり方にこんな意見が出た。
「農産物を買うのは女性がほとんど。イベントや店舗での販促活動は男の人より私たちがアピールしたほうがより共感されるのでは。お手伝いをしてはどうか――」・・・。
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女性理事のみなさん。左から平林きみえ氏、市野瀬統子氏、島田貴美子氏、古田教子氏
(続きは、【特集】輝くJA女性たち・JA松本ハイランド で)