農政・農協ニュース

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重要品目の除外・再協議は原則認めず―TPP交渉

 政府はTPP(環太平洋連携協定)交渉の情報収集を行っているが、外務省、農水省などは1月までに明らかになった関係国の考え方などをこのほどまとめた。

TPP交渉 24の個別分野 TPP交渉は現時点で24の作業部会が設置されて協議が行われている(右表)。農産物、工業品など物品関税を交渉する「市場アクセス」部会のほか、「投資」、「金融」、食品安全に関わる「衛生植物検疫措置」といった非関税分野がある。
 基本的な考え方は、アジア太平洋地域における高い水準の自由化が目標で、可能な限り今まで締結した二国間FTAより高い水準の自由化をめざす。また、環境や労働、複数の分野にまたがる規制を交渉する「分野横断的事項」といった新しい分野を含めた包括的協定を作成しようと交渉されている。
 このうち市場アクセス分野の基本的考え方は、重要品目(センシティブ品目)の除外や再協議は認めないというのもで、長期の段階的関税撤廃が基本。ただし、外務省によると各国の状況によって個別の対応を考える必要性は認める、とする国もあるという。
 現在、交渉参加国は自国の自由化について提示(オファー)し合うための準備作業が行われおり、このオファー交換は2月中にも行われる予定だ。ただ、他のすべての参加国に同一のオファーを提示する方法と、相手国ごとに異なるオファーを提示する方法が並立している。
 最終的に自由化品目等を参加国に提示する譲許表を一本化するのかどうかについても考え方は完全に一致していないという。
 新規参加にはすべての交渉国の同意が必要で、そのためには新規参加希望国は高い水準の自由化交渉に真剣に取り組む用意があるとの信頼を全交渉国から得る必要がある。ただし、米国は新規参加国を認めるには議会の同意を必要としている。
 情報収集では、日本が「食と農林漁業の再生推進本部」を立ち上げ、閣議決定した包括的経済連携に関する基本方針の実施に必要な国内改革に着手していることについて、関係国から歓迎の意が表明された。また、日本が関税撤廃だけでなく、非関税措置の改革にも取り組むことが期待されたという。
 TPP交渉は2月にチリ、3月にシンガポールで会合が予定されている。

(2011.02.07)