同欄は、最近の国際市場について、主要先進国が農産物の過剰に苦慮し、輸出補助金による競争を繰り広げ、価格低迷が続いたころとは様相を異にしており、主要輸出国の過剰在庫や供給余力を前提にした『安い食料の時代』は終わった――としている。
また2002〜04年を100としたFAO食料価格指数は昨年12月に約215となり、7〜8年前に比べ、概ね2倍、食料危機といわれた08年の最高値約214を上回っていると指摘した。
今後については、穀物だけでなく、大豆、砂糖、綿花など広範な農産物価格が上昇しているため、個々の農産物の作付拡大の余地は限られてくるし、また天候不順による減産など供給側のショックがある場合は、さらなる価格高騰のおそれもあり、今年は食料の需給や価格動向に警戒を強める必要がある――と強調した。
筆者はFAO日本事務所の横山光弘所長。