2011年版は、国の食料・農業・農村基本計画のポイントや中心施策となる戸別所得補償、また農業と農村の6次産業化などを詳しく紹介している。
次いで食料自給率、新規需要米、農地法の改正、食の安全や食農教育などの話題について新しい動きをわかりやすく解説した。
また特徴的には、異常気象や人口増加などで食料の需給ひっ迫が続く世界情勢を豊富なデータを用いて説明した。穀物相場については投機マネーの流入など過去に高騰した要因なども振り返って急騰しやすい危険な状態が続いているとした。
そして世界貿易機関(WTО)農業交渉、経済連携協定(EPA)・自由貿易協定(FTA)に加え、環太平洋連携協定(TPP)などの交渉については直近の情勢を踏まえて内容を改訂した。 全中は幅広い層の活用を呼びかけている。A4判 72頁。600円。
◇
同ファクトブックとともにJA全中は『JAファクトブック2011』も発行した。JA(農業協同組合)の組織、事業、活動について理解を広げるのが目的で、いわば「手引書」。
JA全中は国際的な農業交渉に対して「日本の食とくらしを守る」という視点で、国民運動として取り組んでいる。さらに2012年の「国際協同組合年」をひかえ、協同組合の価値や役割についてJAグループとして広く社会にアピールしていくことにしている。
こうしたことを背景に農業と地域社会に根ざした組織として指導、販売・購買、信用、共済、厚生などの事業を展開しているJAの姿を解説している。
A4判 70頁。600円。