“技術革命”の実現へ施策を集中させる重点分野を示すとともにその分野の6次産業化を急ぎ、成長産業とするために関係者が取り組むべき基本的指針を示した。関係者とは国、民間事業・農林漁業者、大学など。
革命を推進して雇用と所得を確保し、若者や子どもが定住できる農山漁村の構築をめざす。すでに昨年策定した「食料・農業・農村基本計画」と「新成長戦略」の工程表で農山漁村における6兆円規模の新産業創出を目標としており、これに沿うものだ。
◆未利用資源の実用化に向けて
重点分野は「資源の新用途開拓」としてまず未利用バイオマスのエネルギーと製品の利用を挙げた。間伐材などを発電燃料とすることなどをめざす。
間伐材や、農作物の食用にならない部分などをどのように低コストで収集し、運搬するかという課題も挙げ、2015年からはバイオマス燃料の普及に入るなどの工程表も示した。
また微細な藻類を資源作物として生産し、利用するほか、生物由来の医療用素材や、医療研究用実験動物など動植物が有する生物機能の高度利用を図る目標なども掲げた。ここでは、これまでの絹糸にない蛍光と極細を特徴とする高機能絹糸の実用化も挙げた。
産業化の推進では▽クロマグロなどの完全養殖▽農林水産物の高度生産管理システム▽超長期鮮度保持技術――を重点分野とした。
戦略実現の施策としては民間企業、公的研究機関、大学、農林漁業者などのプレーヤーで構成する事業化共同体(コンソーシアム)の組織化を促進する。
そこでは研究成果を活用するためのビジネスモデルの検討や、国際標準の獲得なども含め、戦略的な事業展開の方向性についても検討する。