農政・農協ニュース

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丹部千春さん(JA熊本うき)が全中会長賞 若手JA職員の研究発表会を開催  JA全中

 JA組合員900万人の半数が准組合員となり、75才以上の正組合員が120万人以上となっている。JAの組織基盤が大きく変わろうとしている中、その環境変化を見通し対応できる将来のJA経営者を育成しようと、JA全中と都道府県中央会は「JA戦略型中核人材育成研修」に取り組んでいる。3月2日には東京・大手町のJAビルで第2回全国研究発表会を開いた。

受賞者の4人(左から)上原さん、丹部さん(全中会長賞)、山崎さん、水野さん(写真)受賞者の4人(左から)上原さん、丹部さん(全中会長賞)、山崎さん、水野さん

 取り組み2年目となる平成22年度は35県域で600人以上が受講した。前年度に比べて15県域、200人ほど増えた。
 前嶋恒夫JA全中常務は発表会の冒頭、「市場原理主義によって疲弊している地域や営農を守る、というJAの役割は高まっている。JAの理念に基づき、事業や経営の企画立案を実行できる人材を育成したい」と研修の目標を改めて述べ、「この研修をキッカケにして、なお一層の自己研鑽を積んでほしい」と参加者に呼びかけた。
 発表会には各県域の成績優秀者23人が参加(1人欠席)。それぞれの研修の成果として、JAの将来ビジョンや企画・改革案のプレゼンテーションを行った。
 発表の内容は、農産物のブランド化やファーマーズマーケットの取り組みなど販売力・農家所得の向上、食農教育や農業の6次産業化などによる地域活性化、職員教育の充実や個別組合員のニーズに対応するための組織改革など、さまざまな分野にわたった。


◆「男女関係なく、多くの人が参加して」大賞の丹部さん

発表者以外にも、各JAや連合会などから80人以上の傍聴者が参加した。 最優秀賞となるJA全中会長賞は、唯一の女性発表者だったJA熊本うき共済部普及渉外課の丹部千春さん。「農産物直売所からカルチャータウンへ 一方通行から双方向へ」と題して、ただ農産物を販売するだけの直売所ではなく、生産者と消費者の対面販売、レストランの併設、加工品の開発、農業体験などを通して生産者、生活者、商工業者らが双方向で利用できるワンストップ型カルチャータウンをつくり、利用客数を現在の45万人から3年後には倍の90万人に伸ばしたい、とのプランを発表した。
 丹部さんはLAとして共済事業を担当しているが、「個人的に興味があり、多くの人が集まる直売所をこんなふうにしたい、と一利用客の立場として考えてみた」という。1年間の研修について、「月によっては2泊3日の研修もあり、普段の業務を支障なくこなしながら受けるのは非常にハードだったが、受けたことで自分の意識改革にもなったし、本当に参加してよかった。男女関係なく、多くの人に参加してほしい」と感想を述べた。
 丹部さんのほか、「緑と心を耕せ、JA職員!」をテーマに5年後の農産物販売高55億円をめざすGO55作戦を発表したJA広島北部の山?通敬さんがJA人づくり運動推進委員会委員長賞に、「奇跡のお米「あきさかり『福井愛情米』の全国展開 ご飯は冷めても、愛は冷めない」を発表したJA福井県経済連の水野佳宏さんと、「組合員加入促進による事業基盤強化への取り組みについて Aコープ利用者を組合員に」を発表したJA新旭町(滋賀県)の上原正弘さんが審査委員長特別賞を受賞した。

(写真)
発表者以外にも、各JAや連合会などから80人以上の傍聴者が参加した。

山崎さんの崎は正式には旧字体です。

(2011.03.03)