意見書では、農林水産政策については党の「食と農林漁業再生・強化プロジェクトチーム」や部門会議などで大きな方向を議論していることから、「規制・制度改革は、その大きな方向性と整合して進めるべき」、「部分的に短冊で取り出して拙速に結論を出すべきではない」と強調している。
具体的な項目についての考え方では、農協のあり方を「農家・農村の競争力を強化するために果たすべき役割は何かという根源的な観点から見直すことが必要だ」として、信用・共済事業と農業事業部門との関係といった「狭い観点から結論を出すべきではない」と指摘した。
また、戸別所得補償制度などの交付金について現場の農家やJAに交付されるようにすべきであり、中央会、連合会など中間段階を省くことが基本との考えを示した。ただし、乳価などの個々の農家や単協では交渉できない分野では中間的な協議組織などの必要性も認めるべきだと主張している。
行政刷新会議は1月に250項目の規制・制度改革案を決め、政府として3月末の閣議決定をめざし調整をしている。行政刷新会議分科会の議論で、農協については信・共分離論は取り下げたものの、営農事業部門の黒字化など部門別採算の考え方を打ち出しの目標年次を決めて取り組むことなどを求めている。