(写真)
スピーチする玄葉国家戦略担当大臣(=2月26日の第1回フォーラムより)
さいたま市での第1回フォーラムでは、「日本の食料をどうするのか。食料主権がもっとも大事」、また、金沢市の第2回(3月5日)でも「食料がなければ生きていけないという視点から考えるべき」といった意見が出された。
TPP参加で日本農業が壊滅しかねないとの懸念からだ。しかし、政府は開国と農業再生の両立論を説く。
これに対しても「(農業再生論議に)矮小化している」、「リンクさせること自体に違和感がある」との批判も出ている。
そのほか農業分野以外への影響を懸念する声も多く、現在、参加国で行われている24の作業部会の状況がみえず「今日のフォーラムを聞いても全然分からない。情報がないなか6月に是非を決めるなんて乱暴だ」、「米国に豪州を加えたようなTPP参加は経済よりも政治的思惑優先ではないか」との指摘もある。
◆「参加決め情報得ることが重要」海江田大臣
これらの意見に対し玄葉光一郎国家戦略担当大臣は、国民への情報提供と説明が大切としながらも「交渉に参加しないと本当の情報は得られない」と述べたほか、金沢市のフォーラムに出席した海江田万里・経産大臣は「参加を決めて情報を得、日本も交渉の席についてルールづくりに参加することが重要である」と踏み込んだ発言をしている。
その一方、関税撤廃について玄葉大臣は「実際の交渉のなかで10年かけての関税引き下げなどさまざまな可能性がある」、海江田大臣も「限られた例外扱いの可能性はある」など、「情報が得られない」しながらもこんな根拠が不透明な説得をしている。開国フォーラムは3月21日の福岡会場まで計9回開催されることになっている。