農政・農協ニュース

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4県のホウレンソウ、カキナなど出荷制限 政府が指示

 福島第一原発事故によって一部の農畜産物から放射性物資が暫定基準値を超えて検出されたことを受け、政府は3月21日、関係都道府県知事に出荷制限を指示した。

 対象としたのは、群馬、栃木、茨城、福島で各県全域のホウレンソウとカキナ。さらに福島県の原乳も出荷制限の対象とされた。
 出荷制限品目を摂取し続けても健康に影響はないが、暫定基準値を超える状態が継続することは好ましくないと判断した。この措置は原子力災害対策特別措置法に基づくもので、原子力災害対策本部長の菅総理が出荷制限を指示した。
 同時に出荷制限の実効性を担保するため、出荷制限地域の生産者等に対して「適切な補償が行われるよう万全を期す」(枝野官房長官、鹿野農相)ことも明らかにした。
 出荷制限となった品目については引き続き調査をし、暫定規制値を安定的に下回る分析結果となれば出荷制限を解除するという。同時にそれぞれの県で、他の品目についてもモニタリング検査を続け
ることにしている。
 鹿野農相は、同日夜の会見で、今後は土壌検査も実施していく方針を示した。今後の検査について「できるだけきちんとした数値を公表し、考え方も明確に打ち出していく。農家の方々が判断していただきやすいようにしていく」と強調した。
 農水省はホウレンソウについて、JA全農に対して、通常の収穫期を待たないで前倒し出荷することや、規格外出荷も要請した。
 出荷制限にともなう補償は基本的には東京電力が行い国の予算も加える。

(2011.03.22)