◆全国からの支援に感謝
総会前に東北関東大震災の犠牲者を追悼し黙祷を捧げた。
江原正視家の光協会会長は「被災された人々の悲しさを思うと胸が張り裂ける」とお見舞いの言葉を述べるとともに、「今回の災害はいまだかつて経験したことのない極めて深刻な災害だ。これまで以上に、助け合い、分かち合いの精神が必要になる。今こそ、1人は万民のために、万民は1人のために、の基本理念をかみ締めよう」と呼びかけた。
来賓の茂木守JA全中会長も、東洋の奇跡とも言われる第2次大戦後の復興を例に取り、「日本人は互いに助け合い、何事にもめげずに前に進む力を持っている」とエールを贈った。
被災地からの出席者として、長澤壽一理事(JA岩手中央会会長)が、全国からの支援物資や義援金への感謝を述べるとともに、「今後は瓦礫の撤去、地域の建て直し、被災者の生活再建に取り組む膨大な仕事がある。岩手県下JAグループあげてまい進したい」と力強く誓った。
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上:あいさつする江原会長
下:被災地からの感謝を述べた長澤氏
◆農村やJAのよさを再認識できる記事づくりをめざす
23年度は3カ年計画の2年目として、「人・組織・地域の元気づくり」をさらにすすめる。
『家の光』は「農家・農村で暮らしてよかった」「JAは地域にぜったい必要なもの」と実感できる記事づくりをめざすとともに、TPPや日本農業・JAへの不当な批判に反論していくほか、「2012年国際協同組合年」に向けた企画もすすめる予定。普及目標は平月号62万部、12月号77万部、1月号67万部に決めた。
例年、総会前に第25回家の光童話賞と第58回地上文学賞の表彰を行っていたが、今年は東北関東大震災の影響で表彰式を中止した。
家の光童話賞はつかはらみささん(埼玉県)のおいしいニンジンめしあがれ」、地上文学賞は蓑修吉さん(宮城県)の「椚平にて」が受賞した。
◆『家の光』の原点に戻って活動を
総会後の役員互選では、園田俊宏JA熊本中央会会長を新会長に、木村一男JA秋田中央会会長を新副会長にそれぞれ選任した。
園田新会長は江原会長ともに4年間、副会長として活動に貢献してきた。「農業、農協を取り巻く環境は非常に厳しく責任の重さを感じているが、家の光協会の運営に全力を注ぎたい」と強調し、「未曾有の震災被害を受けた今こそ、相互扶助の精神が必要だ。それを育むためにも『家の光』の原点に戻って人、組織、地域を元気にする情報発信を心がけたい」と、抱負を述べた。
木村新副会長は、「人と人とのつながりがあって初めて地域が成り立つ、というのが日本社会。これから『家の光』の重要さが増すだろう。運動の先頭に立って活動していきたい」と述べた。
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記者会見で抱負を述べる園田会長(左)と木村副会長
【略歴】
○会長=園田俊宏(そのだ・としひろ) 昭和21年生まれ。平成3年下益城郡東農協代表理事組合長、7年下益城郡豊野村長、8年JA熊本うき代表理事副組合長、14年JA熊本中央会会長、19年家の光協会副会長、20年JA全中代表監事、同全国農業協同組合役職員共済会会長。
○副会長=木村一男(きむら・かずお) 昭和23年生まれ。平成8年よこて農協代表理事組合長、11年JA秋田ふるさと代表理事組合長、20年JA秋田中央会会長。
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理事・監事の改選結果は次の通り(再任は省略、敬称略)。
【新任】
(理事=2人)
▽田代武満(前監事) JA静岡中央会会長
▽齋藤京子 農山漁村女性・生活活動支援協会専務理事
(監事=1人)
▽倉内巖 JA愛知中央会会長
【退任】
(理事=2人)
▽岡田忠敏 JA岐阜中央会会長
▽川合千鶴子 元農林水産研修所生活技術研修館長