農政・農協ニュース

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農作業延期などを要請 福島県が原発事故で

 東電福島第一原発の事故に伴い福島県は3月26日、農作業の延期を農家に要請した。

 放射性物質が地表面に存在していると思われるので、これ以上拡散させないため、田畑とも耕うん作業をしないよう求めた。また実施した生産に関する記録は記帳しておくように要請した。
 作業の遅れに伴う技術対策については、随時提供する情報を参考に営農計画を立ててほしいとした。
 さらに作物と家畜それぞれの対応策を次の通り示した。

 〈水稲〉移植時期を晩限まで遅らせることを前提に、播種時期も通常より遅らせる。
 浸種を開始していた場合は、浸種を中断して軽く水切りをし、ビニール袋に入れ、JAなどの大型冷蔵庫などで5度前後に保つ。
 〈野菜〉摂取や出荷を差し控えるよう指示されている野菜は、すきこみや焼却はしない。すでに収穫したものは一箇所にまとめて保管する。まだ収穫していないものはそのまま放置すること。
 摂取や出荷を控えるよう指示されている野菜の作付けを予定していた場合で、播種や定植の指示が解除されない時は作付変更も検討すること。
 〈果樹〉永年性作物であり、今年の管理が翌年に影響することから、当面の病害虫防除など栽培管理は継続。作業時は帽子やマスク、手袋を着用する。
 〈花き〉施設栽培は風下を開けるなど風向きに注意し、換気する。露地栽培は当面、作付晩限まで、ほ場準備などを遅らせる。
 〈家畜〉原乳は出荷停止期間中、自己所有地で肥化処理や埋設などを行う。原発事故の発生前に刈り取って、屋内で保管された飼料を利用すること。家畜の飲料水は水道水や井戸水を使用し、湧き水や流水などの使用は避ける。当面、放牧など舎外での飼養は避け、畜舎内で飼育する。

(2011.03.28)