調査は今年1月、同公庫のスーパーL資金融資先を対象に行い、6424先から得た回答をもとにした。
景況は22年の経営を振り返り、前年と比べて「良くなった」という構成比から「悪くなった」という構成比を差し引いた「DI」で評価している。
◆稲作や酪農、大きく落ち込む
22年の農業全体の景況DIは▲25.2で前年同月の▲17.4からさらに悪化し、平成8年の調査開始以降もっとも落ち込んだ。
部門別に見て前年同月調査時よりマイナス幅が拡大したのは稲作、畑作、キノコ、酪農。稲作は供給過剰傾向による概算金の大幅な引き下げや、猛暑による一等米比率の低下が影響したとみている。
酪農は都府県が前年の21.8から0.0、北海道は13.2から▲37.8となり、ともにマイナス幅が広がった。都府県では猛暑による乳量・繁殖成績など、北海道では生クリーム向け乳価の引き下げを要因としている。
◆養豚・採卵鶏、プラスに移行
一方マイナスからプラスへ改善したのは養豚と採卵鶏。前年より価格が堅調に推移したことや飼料価格が前年より下回って推移したため。
23年見通しは農業全体で▲19.9と22年よりマイナス値は回復した。部門別では稲作(北海道)、露地野菜、酪農(都府県)、養豚がマイナス幅を広げた。
しかし1月時点での調査結果であることから、東北関東大震災の影響を反映した数値ではない。