◆地震、津波、放射線、風評被害の四重苦
イベント初日となった4月1日、福島県のJA東西しらかわは「みりょく満点」ブランドの米が5kg2000円、キュウリが5本200円、そのほかイチゴ、トマトなどを、全国肉牛事業協同組合は茨城の常陸牛1パック1000円などを試食販売した。
JA東西しらかわの鈴木昭雄組合長は「私たち福島県の産地は今、四重苦に襲われている。地震、津波、放射線、そして風評被害だ。出荷制限されていないものは、すべて検査済みで安全でおいしい。われわれ生産者が自信をもってつくっている農畜産物を、ぜひ買って食べてほしい」と呼びかけた。実際に放射線検知器を使って安全性をアピールするなどして、街行く人々に県産農畜産物の買い控えをやめてほしいと訴えた。
全国肉牛事業協同組合の山氏徹理事長は、茨城県北茨城市で畜産を営む生産者でもある。いまだにエサの流通など混乱している部分もあるが、それ以上に風評被害の影響が大きいという。「日本は欧米に比べて放射線濃度の基準値が5分の1ぐらいという厳しい数値だが、それでも検出されていない。しっかり検査しているので、安心して食べてほしい」と強調した。
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放射線検知器でキュウリを計って売るなどした鈴木組合長(一番左)
◆募金より、選んで買って食べて応援
2歳の子どもと乳幼児を連れた30代の女性は「神経質になっても仕方ない。子どもにもしっかり安全で安心だと教えて食べさせる」と野菜を購入。牛肉や野菜などを買った50代男性は、「危険なものを売るわけがない、と信頼している。元気な農家の姿に、こちらも勇気付けられた」と笑顔だった。
仕事の途中でたまたま立ち寄ったという都内在住で50代の女性は、「茨城県で農業をやっている親戚もいるが、本当に大変な目にあっていると聞いた。募金をするよりも、被災地のものを選んで買って食べる方が、より応援したい気持ちが伝えられると思った」と述べ、JA職員や生産者らにエールを贈った。
イベントは、4月1日から5月8日まで毎日開催し、福島、茨城の自治体やJAが日替わりで特産品を販売する予定。
イベントの収益金の一部は、義援金に充てられる。
平日は5件ほどで12時から18時まで、土日祝日は20件以上が11時から17時まで販売する。4月3日には福島県出身で元プロ野球選手の中畑清氏も応援に訪れる予定。
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米は4日までの4日間で1000袋を販売する予定。5kg2000円と値段も手ごろで人気だった。