風評被害により消費が落ち込んでいる県内産農畜産物の安全性をPRしようと、県内の全27JAが参加し、野菜や果物、米など合計約50品目を販売した。
桜が満開となった週末だったこともあって、花見ついでに立ち寄る人など客足は途絶えることなく、入場制限するほどの盛況となった。
西東京市からきたという男性は「友人が茨城に多くいるので、応援したいという気持ち。こうやって買うことが一番の応援だと思う。近所ではこういうことをやっていないのでもっとやってほしい」。また都内在住の主婦は「最初は正直茨城県産のものに抵抗があったが、検査したものが出回っているので今は全く気にしていません。値段が安くて気の毒ですが、買うことで少しでも役に立てたらと思っています。家が近かったらもっとたくさん買いたかった」と話した。
応援に駆けつけた橋本昌茨城県知事は「全部安全なものなのになかなか信じてもらえず、ますます値段が下がってしまっているが、今日はこんな多くの人に集まってもらい皆さんは賢い消費者です。農業再生のために一生懸命やっていくので応援をお願いします」と述べた。
この日の売上げは約175万円にのぼり、全額が被災地の義援金として日本赤十字社を通して送られる。
◆組合長も半数以上が参加
販売活動には県下27JAのうち半数以上となる16人の組合長も参加し、消費者に県産農畜産物の安全性を訴えた。
★JA北つくば・加倉井豊【邦】組合長
「風評被害にどうがんばっていくのかが茨城県の課題。情報の透明性を心がけることが大事なので、市町村単位でメッシュを小さくして検査している。危険なことは絶対ない。安全なものを売っているので信頼してほしい」
「政府には発生源を早くとめてもらいたい。これではいつまでも産地の苦しみが終わらない」
★JAやさと・田村和夫組合長
「安心が保障されたものなので風評に惑わされずに買い支えていただきたい。被災地に応援の声をどんどん送ってほしい」
★JA土浦・佐野治組合長
「茨城県を忘れないでほしい。農家が元気にならなければJAも元気になりません」
★JA常総ひかり・猪瀬正一組合長
「ここに来られた消費者はあまり気にしていないようで売上げは上々だ。これを機会に他の消費者にも広まってくれることを期待したい」
★JAしおさい・野口嘉【徳】組合長
「みんなまじめに作っているものなのに去年の1/3の値段になっている。私たちはとにかく農家を救っていかなければならない。消費者に喜んで食べてもらって、少しずつ口伝えで(状況が)よくなっていくことを願ってやっている」
※【 】内の字は正式には旧字体です。