農政・農協ニュース

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米の販売実績伸びる JAグループ

 JA全農などがまとめた22年産米の販売状況によると、2月末現在で販売数量88万5000tと前年比117%となっている。そのほか契約状況、集荷数量、価格動向などをまとめた。

 

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◆集荷数量292万t

 22年産米の集荷実績(加工用米・新規需要米は除く)は、292万7000tで前年産対比で98%となっている。
 地域別では北海道が21年産最終出荷実績の33.4万tを大きく上回る40.3万t(前年比121%)となっているほか、東海(11.7万t、同102%)、九州・沖縄(26.1万t、同102%)で前年を上回っている。
 ただし、東北、関東・甲信、北陸、中四国は作柄の悪化で前年を下回っている(同91%〜99%)。
 JA全農では最終的な集荷数量を294万2000t程度と見込んでいる(同98%)。


◆販売環境整備の成果


 22年産米は、消費減による21年産米の販売不振などで米の需給が緩和して価格が大きく下落、販売環境の整備が求められていた。
 そのためJAグループは生産者が拠出した豊作時の過剰米を区分出荷する集荷円滑化対策のための基金321億円を使った「販売環境整備事業」の実施を昨年末に決めた。
 具体的には、これまで豊作時の過剰米を買い入れてきた(社)米穀安定供給確保支援機構(米穀機構)が、22年産から一定量を買い取り、JA全農を通じて飼料用に処理をするという仕組みだ。
 実施数量はJA全農系16万5596t、商系等5356tの合計17万952tとなった。
 また、政府は米の備蓄制度を回転備蓄から棚上げ備蓄に移行させるために、政府備蓄米の年産入れ替えの実施を決定。22年産米を18万tを上限に買い入れることを決めた。
 これまで3回の入札で10万1091tが落札され政府買い入れが決まった。

 

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◆契約数量は前年比154%


 このような買い入れの実施によって需給環境整備が行われたことから米の契約は進み、販売計画数量259万8000tに対して契約数量は2月末現在で194万4000tと前年比154%(同+68万t)となった。
 契約進度は75%、未契約数量は65万4000tとなっている。このうち販売数量は88万5000tとなっており、3月以降の販売数量は171万3000t。前年産同時期比で21万t少ない。
 ただし、この要販売数量とは別に21年産17万tが未引取となっており、これは前年より11万t多い。
 一方、農林水産省が公表した2月の全国平均相対価格は60kg1万2687円だった。包装代、消費税などを控除した価格は同1万1929円となり、前月比▲22円と横ばいで推移した。しかし、21年産の同時期価格より60kgあたり1824円安い。


◆米輸送は大幅改善 震災対応

 JA全農の23年度事業計画では米の集荷数量目標は300万tとした。また、播種前・収穫前契約や契約栽培等の拡大にも力を入れ70万tが目標。そのほか全農グループと一体となった精米販売の拡大を促進し80万tの精米販売をめざす。
 なお、東日本大震災の影響で玄米輸送に支障が出ていたが、3月末の全農の発表によると、燃料確保が安定し東北方面の幹線道路の通行が可能になったため、原則として全県からの出荷が可能になったとしている。
 ただ、被災地では地盤沈下や倒壊の恐れから立ち入ることができない倉庫が依然としてあり、出荷できない地域もあるという。

 

(2011.04.14)